若い人にこそ仮想通貨取引が向いている理由
株、外国為替、証券、貴金属や不動産など、投資の方法は世の中にたくさんあります。しかしそのいずれもが、まとまった金額の資産がないとまともにトレードできなかったり、そもそも法律で未成年者の参加が禁止されていたりと、若者が気軽に始めるのは難しいものばかりです。
その点、PCとネット回線、基本的な知識さえあれば誰でもできる仮想通貨取引は若い人にうってつけの投資法といえるでしょう。また、低額からでもスタートできる点も、学生やアルバイターにとって大きな魅力です。
ここでは、未成年者が仮想通貨取引を始めるにあたって、どのような取引所を選べばいいのか、どんなことに注意すればいいのかといったポイントを解説していきます。
未成年でも仮想通貨取引はできる
二十歳未満であっても、仮想通貨を売ったり買ったりすることはできるのでしょうか。結論から言えば、未成年でも仮想通貨取引をすることは可能です。
日本国内の主要な仮想通貨取引所のうち、半数近くが未成年の利用を認めています。そうした取引所にアカウントを開設すれば、すぐに仮想通貨の取引を始めることができます。
ただし、アカウント開設をする際には、親(もしくは親権者や法的代理人)の同意書など規定の書類を提出しなくてはいけません。
また、当然ながら未成年だからといって優遇されたり特別な配慮をされることは一切ありません。売り時、買い時を見誤れば損失が出るリスクもあります。反対に、利益が出た際には税金を納める義務もまた成人アカウントと同等に発生します。
仮想通貨は誰でも気軽に取引ができるものです。それは未成年であっても例外ではありません。しかし軽率なトレードをして後悔することがないよう、あらかじめ仮想通貨のしくみをよく理解し、慎重に利用する必要があります。
未成年でも口座が作れる仮想通貨取引所一覧
ここでは、未成年でも使える国内の仮想通貨取引所を紹介します。
- Zaif(ザイフ)
- bitFlyer(ビットフライヤー)
- Coincheck(コインチェック)
- bitbank(ビットバンク)
- BTCボックス
- フィスコ仮想通貨取引所
以上のように、現在は6社の仮想通貨取引所が未成年者によるアカウント開設を認めています。いずれも大手であり、一般ユーザーからも人気の高い取引所ばかりです。それぞれの特長を簡単に解説していきます。
ビットコインを買うなら一押し:Zaif
ビットコインを売買した分だけ手数料相当がキャッシュバックされるという「取引手数料マイナスキャンペーン」が人気の取引所です。
ビットコインをメインに取引するなら、まず最初にアカウントを作っておくことをおすすめします。
安心安全な国内最大手取引所:bitFlyer
セキュリティのレベルが高く、使いやすいため初心者には特におすすめの仮想通貨取引所です。ただし、現在はマネーロンダリング対策の不備を理由に業務改善命令を受けたため、新規アカウントの受付を停止しています。利用を希望する場合は公式サイトからのアナウンスをこまめにチェックしましょう。
ハッキング被害により受付停止中:Coincheck
使いやすいユーザーインターフェイスと取り扱っている仮想通貨の種類の多さで人気の取引所です。ただし、今年2月に発生したハッキングによる顧客資産流出事件に伴い、こちらも現在は新規アカウント登録が停止されています。
アルトコインを取引するならここ:bitbank
全6種類のアルトコインを安い手数料で売買することができる取引所です。取引量も豊富なため、注文もスムーズに通ります。ビットコイン以外の通貨を手広く取引するなら最もおすすめです。
システムの安定性と利便性が売り:BTCボックス
創業以来一度もサーバーダウンを起こしたことがないという、システム面に強みを持つ取引所です。使いやすいアプリもあるため、主にスマホから取引をする人にオススメです。
独自トークンで投資の幅を広げるなら:フィスコ仮想通貨取引所
上場企業であるフィスコ株式会社が運営する取引所です。フィスココインなど、自社で独自に発行した代替仮想通貨「トークン」を取り扱っているため、他にはない仮想通貨を取引することができます。
次章では、未成年が仮想通貨取引所にアカウントを取得するためにクリアしなければいけない条件について解説します。
未成年が仮想通貨取引所を使うための条件
国内の主要な仮想通貨取引所では未成年者でもアカウントを開設することができます。ただし、取引をスタートするためには下記のような条件をクリアする必要があるので注意しましょう。
- 親権者の同意を得ていること
- 仮想通貨取引用の銀行口座を持っていること
- 仮想通貨のしくみを十分に理解していること
未成年者が仮想通貨取引を行うには、まず最初に親権者の同意を得る必要があります。アカウントを作る際に同意書の提出を求められるので、定められたフォーマットに従って必要な書類を作成しましょう。
次に銀行口座を用意する必要があります。通常、仮想通貨を買う際は、まず銀行口座から取引所の口座に日本円を入金をしなくてはいけません。この時にネットバンキングに対応した銀行口座を持っておくといつでも入金手続きができて便利です。資産状況を明確にするためにも、仮想通貨取引専用のネットバンキング口座を作っておくと良いでしょう。
最後に、基本的なことですが、仮想通貨そのもののしくみと取引のルールを十分に理解していることが前提条件です。仮想通貨は手軽に始めることができる上、大きな利益を生む可能性を持っていますが、同時に暴落やハッキングといったリスクもあります。こうした点を理解せずに取引をスタートするのは大変危険です。自分自身でしっかりリスクヘッジをするようにしましょう。
次章では、未成年が取引所のアカウントを作る際の具体的な流れについて解説します。
未成年が取引所にアカウントを作るまでの流れ
ここでは、未成年者が仮想通貨取引所を利用する場合、どのような流れでアカウントを取得するのか、具体的な流れを見ていきます。
- 仮想通貨取引所を選ぶ(未成年でも口座が作れる仮想通貨取引所一覧参照)
- 取引所のホームページからアカウント開設の申請を行う
- 親権者の同意書など必要な書類を用意し取引所に郵送する
まずは使いたい仮想通貨取引所を選ぶ必要があります。
例えばビットコインをメインに取引したいならZaif、アルトコインにも挑戦したいならbitbankといったように、自分の投資スタイルに合った取引所を決めましょう。複数の取引所を組み合わせて使うのもオススメです。
次に、仮想通貨取引所のホームページ上からアカウント開設の申請を行います。具体的には氏名やメールアドレスといった個人情報を登録し、ログインの際に必要なパスワードを設定していくことになります。この作業はどの仮想通貨取引所でもPCやスマホ上だけで行うことができます。
最後に、未成年者の場合は親権者の同意書や続柄を証明する公的書類など、各仮想通貨取引所が定めた必要書類を用意する必要があります。なお、こうした書類は多くの取引所で郵送するように決められています。もし書類に不備があると再提出することになり、時間も手間も余計に掛かってしまうので、事前にしっかりチェックして送るようにしましょう。
仮想通貨取引所が必要な書類の確認を終え次第、アカウントと口座が開設されて取引が可能になります。この確認作業にも数日程度の時間がかかることがあるので、あらかじめ余裕を持って申請を行うことをオススメします。
次章では、未成年者のアカウント開設に必要な同意書などの書類についてさらに詳しく解説していきます。
未成年のアカウント開設に必要な書類
ここでは、未成年者が仮想通貨取引所にアカウントを取得するために必要な申請書類について解説します。
仮想通貨取引所によって多少異なっていますが、必要な書類は主に以下の通りです。
- 未成年者の本人確認書類
- 親権者の本人確認書類
- 親権者の同意書
- 親権者との関係を証明する書類
本人確認書類には、運転免許証・パスポート・健康保険証・住基カード・住民票などが必要です。顔写真が添付されているものは1点で申請できますが、写真がないものは2点合わせて提出しなくてはいけません。
親権者の同意書は仮想通貨取引所ごとに形式が異なっています。専用のフォーマットが用意されているところもあれば、書式自由としているところもありますので、公式サイトの案内に従いましょう。
親権者との関係を証明する書類には、健康保険証・住民票・戸籍抄本・母子手帳など本人と親権者との続柄が明記されたものが必要です。
なお、仮想通貨取引所にアカウントを開設する場合、通常はPCやスマホから必要書類の写真データを送信するだけで手続きを進めることができますが、未成年者の場合は別です。多くの仮想通貨取引所で紙の書類を郵送するように決められていますので、この点にも注意しましょう。
次章では、未成年が保護者や学校などに知られずに仮想通貨取引をすることは可能なのかについて解説します。
親や学校、バイト先にばれない?
様々な理由で、仮想通貨取引所を利用していることを周囲の人に知られたくないと考える未成年者もいるはずです。
ただし、親(あるいは法的な親権者)に黙ってトレードを始めることだけはできません。アカウントの開設には親権者の同意書を提出する必要があるためです。あらかじめ仮想通貨取引をしたい旨をきちんと話し、同意を得ておく必要があります。
なお、親に知られたくない、あるいは同意が得られないからといって、年齢を偽ってアカウントを取得することは不可能です。本人確認書類の提出も必須ですので、生年月日や名前などを偽ることはそもそもできません。
ただし、仮想通貨取引所から学校や勤務先に連絡がいくことは通常ありません。その点、仮想通貨の取引をしていることが他者にばれる心配はないと言えます。ただし、申請書類を偽ったり、不正アクセスなどの犯罪行為を行ったりした場合はその限りではありません。
次章では、仮想通貨取引で利益が出た場合、納税の義務はあるのか、またどうやって納めればいいのかについて解説します。
未成年が仮想通貨で儲けたら納税は必要?
未成年が仮想通貨取引で利益を得た場合、納税の義務はあるのでしょうか。
実は利益額によっては、未成年者であっても成人と同様に税金を支払う義務が生じます。ここではこの点についてくわしく見ていきます。
現在の税制では、仮想通貨取引で得た利益は「雑所得」に分類されます。
雑所得が課税の対象となるのは年間20万円以上からと定められています。つまり、納税が必要になるボーダーラインは利益が20万円を超えてからということになります。
仮想通貨を取引して得た利益が20万円を超えたら、確定申告を行って納税の手続きをする必要があります。
ただし、確定申告の申告者が未成年だった場合、親権者が代理で手続きをするように法律で定められています。未成年者本人が自分で確定申告を行うことはできないため、親にその旨を報告して代わりに手続きを行ってもらわなくてはいけません。
ちなみに、確定申告を怠ると追徴課税を受ける可能性があります。本人確認書類によって個人情報はしっかり把握されていますので、利益額をごまかすようなことはできません。規定にしたがって確実に納税するように注意しましょう。
次章では、未成年者が仮想通貨取引を行う際に覚えておきたい大事なポイントをまとめておさらいします。
まとめ
未成年であっても仮想通貨取引を楽しむことはできます。ここでは、取引をスタートするにあたって押さえておきたい重要なポイントをまとめました。
- 未成年でも親権者の同意があれば仮想通貨取引ができる
- 年間20万円以上の利益が出れば納税の義務が発生する
- 仮想通貨のしくみとリスクを理解することが必須
未成年者が仮想通貨を始める際は、必ず親権者の同意を得るようにしましょう。アカウントを取得するためには本人確認書類に加えて親の同意書が必要です。
また、取引で年間20万円以上の利益が出た場合、確定申告を行って税金を納める義務が発生します。確定申告は未成年者本人が行う事ができないので、親権者に代行してもらう必要があります。
最後に、最も重要なのが仮想通貨取引のしくみとリスクをしっかり理解した上で始めることです。ボラティリティが高い仮想通貨は得られる利益が多い反面、短期間で価格が暴落する危険性も秘めています。失っても構わない資金を使い、無理のない範囲で取引をするように心がけましょう。