仮想通貨を買うにはどんな方法がある?
現在、取引所を通して仮想通貨を購入する際、最も一般的に使われている方法が銀行入金です。あらかじめ自分の銀行口座から取引所の口座へ日本円を入金しておき、それを使ってビットコインをはじめとする仮想通貨を買うという方法です。
ただし、取引所の口座に入金するには事前にネットバンキングが使えるように設定しておく必要があります。また、銀行の営業時間外だと入金が反映されるまでかなりのタイムラグが発生します。
仮想通貨の相場は目まぐるしく変化するものです。せっかく買いのチャンスが巡ってきたのに取引所の口座に十分な資金がなかったり、銀行からの入金が反映されていなかったりすると大きな利益を逃してしまいかねません。
そこで知っておいて損はないのがクレジットカード決済です。クレジットカードを使えば、口座に現金がなくてもその場ですぐに仮想通貨を買うことができます。
ただし、仮想通貨のクレジットカード決済にもいくつかのデメリットや制約があり、常にカードを使って買えばいいとは限りません。
ここでは、クレジットカード決済の現状やメリット、デメリットを解説しながら、仮想通貨を賢く買うための方法を紹介していきます。
仮想通貨はクレジットカードで買える
普段の買い物を便利にしてくれるクレジットカードですが、仮想通貨を買う際にはどの程度使うことができるのでしょうか。
国内の仮想通貨取引所に限って言えば、現在、クレジットカードを使うことができるのはCoincheck(コインチェック)1社のみです。
コインチェックでは最低5000円からクレジットカード決済で仮想通貨を購入することができます。ただしクレジットカード決済専用のレートが適用され、このレートは10秒ごとに更新されるため、手続き中のタイムラグによって購入量が多少変動することがあります。
コインチェックの他に、以前はZaif(ザイフ)とbitFlyer(ビットフライヤー)もクレジットカード決済を取り扱っていました。
しかしザイフは今年2月に、ビットフライヤーは3月に、それぞれクレジットカードの取り扱いを中止してしまいました。その理由としては、2社ともに「契約しているカード会社の方針変更のため」と発表しています。
次章では、なぜクレジットカード会社が仮想通貨の購入サービスを打ち切る方針を打ち出したのかについて、世界的な流れをふまえて解説していきます。
仮想通貨のクレカ決済が普及しない理由
国内の仮想通貨取引所では、大手のビットフライヤーとザイフが相次いで仮想通貨のクレジットカード購入を中止しました。この動きは日本だけのものではなく、世界各国でも同様に仮想通貨のクレジットカード購入が停止されていっています。
例えば今年2月には、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン、ロイズ・バンキング・グループといったアメリカやイギリスの主要な金融機関が、クレジットカードによる仮想通貨の購入停止を発表しました。また、インドやカナダでも同様の動きが起こっています。
クレジットカード決済が停止される原因は、仮想通貨市場が抱える価格暴落のリスクにあると見られています。
クレジットカードで購入した仮想通貨が暴落した場合、利用者は大きな負債を抱え、カード会社への返済ができなくなる恐れがあります。こうしたリスクを避けるため、今後も世界各国のクレジットカード会社は仮想通貨の購入サービスから次々撤退していくものと見られています。
そのため、現在、国内で唯一クレジットカードが使えるコインチェックも、こうした流れに従っていずれサービスを停止してしまう可能性があります。カードだけに頼らず、他の方法で仮想通貨を買えるように準備しておく方が賢明です。
それでは、クレジットカード以外の方法で仮想通貨を買うにはどうしたらいいのでしょうか。次章では仮想通貨を買う際の支払い方法について解説します。
仮想通貨はどんな支払方法で買える?
今年に入り、各国の主要なクレジットカード会社が相次いで仮想通貨購入サービスを停止しています。そのため今後もカードが使える仮想通貨取引所はより少なくなっていくと見られます。
では、クレジットカードで支払いができなくなったら、他にどのような方法で仮想通貨を買うのがベストなのでしょうか。
結論から言えば、やはり銀行入金を使って購入する方法がもっとも手堅いと言えます。基本的ですが、現在はこれがもっとも主流の購入方法になっています。
ただし、銀行から取引所へ入金するには、事前にネットバンキングが使えるように手続きをしておく必要があります。また、銀行の営業時間も考慮に入れなければいけないため、常に時間に余裕を持って入金を済ませておく必要がある点がネックです。
次章では、どうしてもクレジットカードで仮想通貨を買いたい場合に使える海外の仮想通貨取引所を紹介します。
海外取引所ならクレジットカードで仮想通貨が買える!
現在、国内の仮想通貨取引所ではクレジットカードがほとんど使用できない状況です。しかし、どうしてもクレジットカードを使って仮想通貨を買いたいという場合は海外の取引所を利用してみましょう。
海外にはまだクレカ対応を続けている取引所がいくつかあります。ここでは、クレジットカード決済に対応している海外取引所のうち、ユーザー評価の高い以下の3社を紹介します。
クレジットカードで仮想通貨が買えるオススメの取引所3選
- Coinmama(コインママ)
- Bitstamp(ビットスタンプ)
- Changelly(チェンジリー)
それぞれの特徴を詳しく説明していきます。
Coinmama
コインママはビットコイン、イーサリアム、リップルを初めとした8種類の仮想通貨を割安な手数料で買うことのできる取引所です。
使用できるクレジットカードはVISA、Masterの2種。
仮想通貨を購入する際はドルかユーロ建てになるため、円安時なら日本国内で買うよりお得になります。
Bitstamp
ビットスタンプは欧州最大級の規模を持ち、信頼性や通貨の流動性が高いことで知られる老舗の仮想通貨取引所です。
取り扱っている仮想通貨は5種類で、クレジットカードはVISA、Masterの2種類が使えます。
ただし口座を開設する際には、英語表記の居住地証明(パスポートなど)の提出が必要になります。
Changelly
チェンジリーは正確には仮想通貨取引所ではなく、仮想通貨の両替サービスを行うウェブサイトです。80種類以上もの仮想通貨を取り扱っている上、日本語にも対応しているため近年人気が出ています。
ただし、クレジットカード決済で仮想通貨を買う場合、通常の両替手数料5%に加えてカード処理の手数料5%が加算され、合計で10%の手数料がかかる点に注意が必要です。
この3社は比較的信頼性が高く、クレジットカードユーザーが安心して利用できる取引所です。
次章では、仮想通貨のクレジットカード決済にはどういったメリットがあるのかについて解説します。
クレジットカードで仮想通貨を買う3つのメリット
クレジットカードを使って仮想通貨を買う場合は、主に海外の取引所を使うことになります。しかし海外取引所には言葉の壁や本人確認の煩雑さといったハードルがあり、初心者が気軽に利用できるようなものではありません。
では、わざわざ海外の仮想通貨取引所に口座を開設してまでクレジットカードで仮想通貨を買うメリットはどこにあるのでしょうか。考えられるのは以下の3点です。
クレジットカードで仮想通貨を買う3つのメリット
- いつでもすぐに仮想通貨が買える
- 手元に資金がなくても買える
- カードの各種ポイントが貯まる
まず、クレジットカード決済ならいつでもその場で決済ができるという利点があります。例えば仮想通貨取引所の口座に資金がない場合でも、いちいち銀行から入金する手間や時間がかかりません。
銀行を利用する場合、休日や営業時間外では入金が反映されるまで時間がかかります。その間に仮想通貨の相場が大きく動き、大事なチャンスを逃してしまうこともありえます。その点、クレジットカードを使えば買い時を逃さずいつでも確実に決済を行うことができます。
また、クレジットカードを使えば、代金が銀行口座から引き落とされるまで1ヶ月程度の猶予があります。そのため、給料日前などで手元に現金がない場合でも欲しい仮想通貨を買うことができます。
ただし、仮想通貨の価格は日々激しく変動するもの。翌日の決済日までに値が上がっているという保証はどこにもないので、カードの使いすぎには注意が必要です。
最後に、クレジットカードのポイントが貯まるという利点があります。しかし仮想通貨の決済にだけ特別なポイントが付くわけではなく、通常の買い物と同様の扱いになりますので、ポイント目当てに仮想通貨を買うというのは割の良い選択ではありません。まとまった金額の仮想通貨を買う場合にのみ当てはまるメリットと言えるでしょう。
このように、仮想通貨のクレジットカード決済には以上のような利点があると考えられますが、わざわざ海外の取引所を使ってまで得たい恩恵かと言われれば疑問です。あらかじめ余裕を持った資金を銀行から入金しておけば済んでしまうケースがほとんどではないでしょうか。
それに加え、どの取引所でもクレジットカード決済は手数料が割高に設定されています。高額の仮想通貨を購入したり、頻繁に買いを行う場合はかなりの痛手になるので注意が必要です。
では、クレジットカードを使って仮想通貨を買う必要はまったく無いと言えるのでしょうか。
次章では、セキュリティ対策の面から、クレジットカード決済で仮想通貨を買った場合の盗難補償について解説します。
クレジットカードで仮想通貨を買った場合の盗難補償は?
現在、仮想通貨取引所はハッキングなどのサイバー犯罪の標的になりやすく、世界中で顧客の仮想通貨が盗まれる事件が頻発しています。
基本的に、取引所に預けていた自分の通貨が盗難にあった場合、補償が受けられるかどうかは不明です。これは現在、仮想通貨ユーザーの資産を守るための法的な整備が整っていないためです。
ではもし、クレジットカードで買った仮想通貨を盗まれた場合はどうなるのでしょうか。
銀行から入金した現金を使った場合と違い、購入にはクレジットカード会社を通しているため、カードに付帯している保険が適応される可能性があります。つまり仮想通貨取引所ではなく、クレジットカード会社が盗難補償に応じてくれるということです。
ただし、仮想通貨は一般的な品物や従来の金融商品とは性質が異なり、取引の歴史も浅いことから、クレジットカード会社がどの程度補償に応じてくれるかは前例が少なくはっきりした見通しが立ちません。
そのため、クレジットカードで仮想通貨を買ったからと言って確実に盗難補償が受けられると考えるのは早計です。盗難対応をクレジットカード会社に頼りきりにするよりは、コールドウォレットなどで自衛したほうが確実です。
仮想通貨のクレジットカード決済は時流に合っておらず、盗犯補償も確実に受けられるとは限らない購入方法です。大きな利点はカードのポイントが貯まるという点だけなので、特別な理由がない限りはあえて選択する必要がないと言えます。
では、クレジットカード利用以外の方法で、仮想通貨をお得に買いたいならどのようにすればいいのでしょうか。その方法を次章で解説していきます。
お得に仮想通貨を購入する方法は?
現在、クレジットカードが使える仮想通貨取引所は世界的に減少傾向にあります。また、クレジットカード会社を通した盗難補償も確実ではないため、クレカ決済を使うメリットはポイントが貯まること以外にはあまりありません。例えば手元に現金がないが、どうしても今すぐ仮想通貨を買いたいなど特別な理由がない限り、一般的な銀行入金を使った方が効率的と言えます。
銀行から入金した現金を使う場合、取引手数料に着目するとよりお得に仮想通貨を買うことができます。
例えばビットコインを買う際は、ビットコインの取引手数料がマイナスになるキャンペーンを行っているザイフを使うのが賢明です。また、アルトコインを買う場合はその通貨を最も安い手数料で買える取引所を選ぶなど、目的に応じて複数の仮想通貨取引所を使い分れば手数料を極力減らしてお得に取引をすることができます。
取引所の複数使いは、いくつかの口座にお金を分けて置いておく必要があるため、ある程度まとまった資産を必要としますが、長い目で見れば手数料を圧縮できるためオススメの方法です。
次章では、手数料が安く、複数使いにぴったりのオススメ取引所を紹介します。
オススメの仮想通貨取引所ベスト3
現在、仮想通貨の時流から消えつつあるクレジットカード決済。特別な事情がない限りは、銀行から入金した現金で仮想通貨を購入するのがベターと言えるでしょう。ここでは、その際におすすめの国内仮想通貨取引所を3社ご紹介します。
Zaif(ザイフ)
ザイフの売りは何といってもビットコイン手数料がマイナスになるという点。取引した分だけ手数料相当のビットコインがキャッシュバックされるので、ビットコインを買う際は一押しの取引所です。
bitbank(ビットバンク)
5種類のアルトコインが手数料無料で取引できるので、ビットコイン以外の仮想通貨を購入する際はぜひ利用したい取引所です。
bitFlyer(ビットフライヤー)
ビットフライヤーは国内最大手の仮想通貨取引所です。手数料が特別安いわけではありませんが、経営やシステム面の安定性に優れているため、リスクヘッジの観点からも口座を持っておいて損はありません。
複数の仮想通貨取引所を上手に使い分け、賢い投資を目指しましょう。
次章では、仮想通貨取引所とクレジットカードの関係について重要な情報をまとめます。
まとめ
クレジットカードを使った仮想通貨の購入について、重要なポイントをまとめました。
- 国内の仮想通貨取引所ではクレジットカードはほとんど使えない
- 海外の取引所では使用できる所もあるが、最近は減少傾向にある
- クレカ決済のメリットはいつでもすぐに購入でき、カードのポイントも貯まること
- デメリットは手数料が割高なこと
- 無理にクレジットカードを使う利点は少なく、銀行から現金を入金するのがベター
相場が急激に変化する仮想通貨は、クレジットカード会社から見ればリスキーな商品です。今後ますますクレジットカード決済に対応する仮想通貨取引所は減っていくと見られています。
銀行から入金手続きをするのは面倒な時もありますが、急がば回れの精神で事前に余裕を持って資金を準備し、買いのチャンスに備えましょう。