地味だけど侮れない!フィスコを使ってみた
国内の仮想通貨取引所といえば、ビットフライヤーやザイフといった有名どころをまず挙げる人が多いはずです。しかしそうしたメジャーな取引所の他にも、使い勝手がよく、他にはないメリットを持った取引所がいくつかあります。
中でもフィスコは経営やセキュリティが安定した中堅どころとしての一面と、独自のトークンを扱うというユニークな一面を合わせ持った仮想通貨取引所です。
あまり知名度が高くないためか地味な印象を持たれることの多いフィスコですが、他の取引所と組み合わせて使うことでその真価を発揮することができます。
ここでは、仮想通貨取引所フィスコの基本情報やメリット、気になるセキュリティや補償制度、実際に使ってみた筆者が他と比較した際の評価などを詳しく解説していきます。すでにフィスコを使っている方も、これから口座開設を考えている方も、ぜひ参考にして頂ければと思います。
仮想通貨取引所のフィスコとは?
ここでは、フィスコがどのような仮想通貨取引所なのか、その概要を解説します。
フィスコ(FISCO)は金融庁の正式な認可を受けた仮想通貨取引業者のひとつとして、2016年4月12日に設立された取引所です。資本金は3億8,706万円で、個人投資家などに金融情報を配信するサービスを展開するJASDAQ上場企業、株式会社フィスコを親会社に持ち、国内仮想通貨取引所ザイフ(Zaif)と業務提携を行っています。
取り扱っている仮想通貨は3種類と少なめですが、独自に発行したトークン(代替仮想通貨)を売買することができるというユニークな利点を持っています。
次章では、フィスコを利用するメリットをより詳しく解説します。
フィスコ6つのメリット
仮想通貨取引所フィスコには、以下のようなメリットがあります。
- 経営が安定している
- 手数料が安い
- 取引メニューが高機能
- ザイフと提携している
- 独自トークンが取引できる
- セキュリティがしっかりしている
それでは、1つずつ解説していきましょう。
1.経営が安定している
仮想通貨取引所フィスコは、JASDAQ上場企業の株式会社フィスコのグループ企業です。
大手企業の経営ノウハウを生かし、安定した経営管理体制のもと運営されているので、ユーザーは安心して自分の資産を預けることができます。また、万一ハッキングなどのトラブルが生じた際も手厚いサポートが期待できます。
2.手数料が安い
仮想通貨取引所を選ぶ際に最も重視すべきポイントの1つが手数料の安さです。
フィスコの各種手数料は他の仮想通貨取引所と比較すると平均的か、やや安い水準に設定されています。特に取引手数料(maker)が無料なのは大きな利点と言えるでしょう。
3.取引メニューが高機能
フィスコの取引メニューには、様々なテクニカル分析ができる高機能チャートが用意されています。また、APIを解放しているため、必要な外部プログラムを適宜使うこともできます。専門知識のある仮想通貨取引の上級者にとって、高度なチャート機能を使うことができ、取引メニューを自分好みの環境にカスタマイズできる点は大きなメリットです。
4.ザイフと提携している
フィスコは国内有数の規模を持つ人気仮想通貨取引所ザイフと業務提携を行っています。共通のシステムを導入しているため、フィスコの取引画面や注文板のユーザーインターフェイスはザイフとほぼ同じ仕様です。元からザイフを使っている人にとって、フィスコの取引画面は最初から違和感なく使うことができるでしょう。
5.独自トークンが取引できる
フィスコでは、カイカコイン(CICC)、フィスココイン(FSCC)、ネクスコイン(NCXC)という独自の代替仮想通貨・トークンを売買することができます。
上記3種のトークンは当初、フィスコが株主に対して発行したものでしたが、現在では一般の仮想通貨取引所ユーザーも購入することができます。フィスコが提供する商品やサービスを購入する際に使える他、フィスコの企業価値が高まるに従って価格が上昇するという特徴を持っています。
こうした他の仮想通貨取引所では買えない独自の通貨を扱っているという点もフィスコの大きな利点です。
6.セキュリティがしっかりしている
仮想通貨取引所を選ぶ際、手数料と同じくらい重要視されるのがセキュリティの強度です。一部上場企業を親会社に持つフィスコは豊富なノウハウと資金を生かし、現在、仮想通貨取引所に必須といわれる各種のセキュリティ対策を万全に行っています。
具体的にはマルチシグ、コールドウォレット、資産の分割管理といった対策を行い、顧客の資産を不正なアクセスから守っています。
次章では、フィスコを使うデメリットはあるのか?という点を解説します。
フィスコのデメリット
経営が安定していて手数料が安く、独自トークンが大きなメリットのフィスコですが、デメリットがないわけではありません。
例えば、ビットフライヤーやザイフといった大手取引所に比べて知名度が低く、利用者が少ないという点が挙げられます。通貨によっては板が薄いため注文が通りにくい場合もあるので注意が必要です。
また、取り扱っている仮想通貨の種類が少ない点、専用のスマホアプリがない点も短所と言えるでしょう。
ただし、フィスコは手堅い運営で人気を伸ばしている発展途上の取引所です。今後上記のデメリットが解消されることも期待されます。
次章では、フィスコで取り扱っている仮想通貨を紹介します。
フィスコの取扱通貨一覧
フィスコで売買することができる仮想通貨は以下の通りです。
仮想通貨
- ビットコイン(BTC)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- モナコイン(MONA)
トークン
- フィスココイン(FSCC)
- カイカコイン(CICC)
- ネクスコイン(NEXC)
フィスコでは仮想通貨の取り扱い種類は多くないものの、代わりに3種のトークンを売買することができる点が特徴です。
フィスココイン、カイカコイン、ネクスコインはフィスコが独自に発行している独自トークンです。この3種はいずれも株式会社FISCOの関連企業の商品を買う際に使うことができます。
次章では、どんな人がフィスコを利用するのに向いているのか解説します。
フィスコはどんな人におすすめ?
フィスコはどのようなタイプの人に向いている仮想通貨取引所なのでしょうか。以下の3タイプが考えられます。
- 安全性を重視したい人
- 手数料を安く抑えたい人
- 投資の選択肢を広げたい人
1つずつ見ていきましょう。
安全性を重視したい人:上場企業の子会社だから安心
仮想通貨取引所には廃業やハッキング被害のリスクが付きものです。その点、フィスコはJASDAQ上場企業を親会社に持っているため経営状況は非常に安定しています。また、セキュリティにも力を入れているため、安心して自分の資産を預けることができます。
手数料を安く抑えたい人:手数料は他の仮想通貨取引所に比べてやや割安
フィスコの手数料は他社と比べて平均的か、それよりやや割安な設定になっています。入金手数料や売買手数料を安く抑えたい人にとっては使い勝手のいい取引所です。
投資の選択肢を広げたい人:3種の独自トークンで投資の幅が広がる
フィスコでは、他の仮想通貨取引所では扱っていない独自のトークンを売買することができます。トークンは株式会社フィスコの業績次第で価値が上昇する可能性を持っているため、保有しておけばビットコインや各種アルトコインに加えてさらにチャンスの幅を広げることができます。
次章では、フィスコが設定している各種手数料を一覧にして紹介します。
フィスコの手数料一覧
ここでは、仮想通貨取引所フィスコの各種手数料について解説します。
- 入金手数料:無料(銀行振込手数料は自己負担)
- 出金手数料:50万円未満は350円、50万円以上は756円
- 仮想通貨入金手数料:無料
- 仮想通貨送金手数料:ビットコイン0.0001〜0.0005BTC、ビットコインキャッシュ0.001BCH、モナコイン0.001MONA、トークン0.0008BCH
- 取引手数料(maker):無料
- 取引手数料(taker):ビットコイン0%、モナコイン0%、ビットコインキャッシュ0.3%、トークン0.1%
フィスコは取引手数料が割安!
フィスコの各種手数料は他社と比べて安めに設定されていると言えます。特にmaker手数料がすべて無料という点がメリットです。
次章では、フィスコがどのようなセキュリティ対策を行っているかについて解説します。
フィスコのセキュリティについて
仮想通貨取引所を選ぶ際、手数料や取り扱い通貨と同じくらい重要なポイントとなるのがセキュリティの強度です。
フィスコのセキュリティは数ある国内仮想通貨取引所の中でも高いレベルにあります。
SSLによる通信の暗号化を始め、資金を移動させる際に必要な秘密鍵を複数に分割するマルチシグ(マルチシグネチャー)、資産をネットから切り離して管理するコールドウォレットといったセキュリティ技術を採用し、さらに顧客と自社の資産を別々に保管する分割管理も徹底しています。
フィスコは、不正アクセス対策に必要とされる技術を完備した仮想通貨取引所です。ハッキングに強く、顧客資産に対する保護が行き届いているため、安心して利用することができると言えます。
次章では、万が一それでも不正アクセスによって資産が流出してしまった場合、フィスコがどのような損失補償を行っているのか解説します。
フィスコの補償対応について
仮想通貨取引所は常にハッキングを受けるリスクに晒されています。ハッキングを受けると自分のアカウントに不正にアクセスされ、口座から資産が流出してしまう可能性もあります。
万が一、不正ログインによって損失を被った場合、フィスコではどのような対応をとっているのでしょうか。
現在、フィスコの規約には、不正ログインに対する損失補償は明記されていません。そのため、もし自分の資産が不正に流出してしまってもどの程度補償に応じてもらえるかはケースバイケースになります。経営側の判断で損失分を返金してもらえる可能性はありますが、全額が補償されるかは分かりません。また、資産がまったく帰ってこない可能性もゼロではありません。
仮想通貨取引所はFXを扱う証券会社とは違い、信託保全の義務化といった損失補償のしくみがまだ整っていません。自分の資産は自分で守るという意識を持ち、まとまった仮想通貨はウォレットに移して保管するなど対策を取る必要があります。
次章では、国内の仮想通貨取引所の中でフィスコの評価ランクはどの程度なのか、筆者が独自に格付けします。
フィスコの評価
ここでは、仮想通貨取引所フィスコのスペックを筆者の主観からランク付けします。
5段階で評価するなら、フィスコはずばり☆4です。
フィスコは大手上場企業による運営、強固なセキュリティ、割安な手数料とプラス材料が揃っている中堅どころの取引所ですが、独自のトークンを取り扱っているという点が他にはない強みです。メインの仮想通貨取引所として使うより、トークン専用の取引所として利用し、他の取引所と組み合わせることでより利点を生かすことができるでしょう。
反面、現在はまだユーザー数が少なく、アプリがないなどのマイナス材料があるため、この点を差し引いて☆4としました。
次章では、ここだけ読めばフィスコの特徴が分かる!という情報を端的にまとめます。
まとめ
仮想通貨取引所フィスコとは……
- JASDAQ上場企業を親会社に持つ金融庁認可の取引所
- 経営が安定し、手数料が安く、セキュリティがしっかりしている点が強み
- 3種類のトークンを取引できるのが最大のメリット
- ユーザー数が少ない、スマホアプリがないなど発展途上の面もあり
- 他の大手仮想通貨取引所と組み合わせて使えば投資の幅が広がる!
フィスコは経営面やシステムが安定しているため、安心して使える手堅い仮想通貨取引所といえます。独自のトークンをメインに取引すれば、投資の幅を広げ、より多くのチャンスを狙うことができるでしょう。