日本の取引所でも、仮想通貨を使ってFXをすることが可能です。価格の変動が激しいビットコインであれば、大きな利益を上げるチャンスに溢れています。しかし、これから仮想通貨でFXを始めようとした時、こんな疑問が浮かびます。

  • 仮想通貨FXの仕組みはどうなっているの?
  • メリットだけではなくデメリットも知りたい
  • 何から始めたらいいのかわからない

この記事は、そんな疑問を解決するための情報をわかりやすくまとめています。ビットコインを使ったFX取引の仕組みはもちろん、外貨のFX取引との違いも紹介しています。大きな損失を出さないために知っておきたいリスクも正直に記載しているので、始めるべきかまだ迷っている人にもピッタリな内容になっています。この記事を読むだけで仮想通貨FXのウラとオモテがわかり、最終的には何から始めたらいいのかわかります。

仮想通貨FXとは

仮想通貨FXを理解するためには、まず2つを切り離して理解する必要があります。仮想通貨とはご存知の通り、ビットコインを代表とするインターネットを通じてやり取りするお金のことです。FXとは、すでに多くの人が知っている証拠金取引のことです。売ったお金と買ったお金の差額だけを受け渡すことで、取引の都度お金を支払う必要がありません。しかし、証拠金と呼ばれるお金を一定額以上預けておくことになっています。つまり、仮想通貨FXとは、ビットコインで証拠金取引をすることなのです。ビットコインは購入すればそのままお金として利用できますが、相場の動きが激しいため投資にも使われます。ビットコインをお金として保有するのではなく、相場の上下を利用して投資に使うことをビットコインFXと呼ぶのです。しかし、すでにビットコインでの投資は多くの人が実践しています。その取引とは何が違うのでしょうか?次の章で詳しく解説していきます。

普通の仮想通貨の現物取引との違い

ビットコインを購入して、高くなったら売ることを現物取引といいます。実際に持っているビットコインの価値が上がるのを待つだけで、価値が下がっている時は保持し続ければいいだけです。最もシンプルな取引方法ではありますが、仮想通貨FXとの違いは何でしょうか?大きな違いは以下の3点です。

1.自己資金以上の取引ができる

現物取引は自分のお金で買ったビットコインの分しか取引できません。例えば10万円分のビットコインを買ったとしたら、その10万円分だけ取引ができます。しかし、仮想通貨FXではレバレッジというものがあり、最大で自己資金の25倍までの取引ができます。証拠金として10万円入れたなら、250万円分の取引ができるのです。

2.売りから取引開始が可能

現物取引をするのであれば、まずは元となるビットコインを購入しなければいけません。資産として持っているビットコインの価値が上がれば利益、下がれば損失というシンプルなルールです。しかし、仮想通貨FXはビットコインの価値が下がっても利益を出すことができます。それが、売りから取引を開始する方法なのです。証拠金取引は手元に現物のビットコインが無くても売ることができるのです。

3.ビットコインが手元にない

現物取引は自分の手元にあるビットコインを使って取引します。そのビットコインで買い物したり誰かに送金することが可能です。しかし、仮想通貨FXで扱うビットコインはあくまでバーチャルなものです。自分の手元には無いため、物を買ったり誰かに送金することはできません。証拠金取引というのは、ビットコインの取引が完了して発生した利益や損失分だけ資金が移動するシステムとなっているのです。

現物取引との違いは主にこの3つです。これらはメリットも大きければデメリットも大きいのが特徴です。そこで、次の章では仮想通貨FXが優れている点と注意しなければいけない点について紹介していきます。

* 仮想通貨FXのメリット

仮想通貨FXを利用するメリットとして挙げられるのは、主に以下の3点です。

  • レバレッジ取引で少ない資金で大きな利益を上げることができる
  • ビットコインの相場が下がっても利益を出せる
  • 24時間365日取引が可能

最も大きなメリットが、レバレッジ取引ができるということです。現在日本で仮想通貨FXが利用できる取引所の中では、最大25倍ものレバレッジが設定されています。つまり、自分が証拠金として入れた額の25倍の額の取引が行えるのです。例えば10万円で現物取引を始めたら、10万円分のビットコインしか買えません。しかしレバレッジ取引なら、その25倍の最大250万円分のビットコインの売買が可能になるのです。少ない自己資金で投資を始めたいと考えている人にはおすすめです。

2つ目のメリットとして挙げられるのが、売りから取引ができることです。証拠金の範囲内で先にビットコインを売って日本円を手に入れておき、相場が下がった時にその日本円でビットコインを買います。相場が高い時にビットコインを売っているので、相場が下がった時に買い戻せば日本円が余ります。これがそのまま利益になるのです。相場の変動が大きいビットコインだからこそ、チャンスが多いというのもメリットです。

3つ目のメリットは、いつでも好きな時に取引ができるという点です。外貨を使ったFXでは市場の関係で土日は取引ができません。しかし仮想通貨FXはインターネット上で全ての取引が行われているため、休みという概念がありません。つまり、自分が空いている都合のいい時間に取引をすることが可能なのです。

メリットだけ見ると、仮想通貨FXは非常に楽して儲かる話だと思えます。しかし、それだけのデメリットがあることを忘れてはいけません。次の章では、仮想通貨FXを利用して発生する可能性があるデメリットを紹介していきます。

仮想通貨FXのデメリットと対処法

仮想通貨FXでビットコイン取引を始めると、メリットと思っていたことがそのままデメリットとなります。主なデメリットとして挙げられるは以下の3点です。

  • 巨額の損失が発生する可能性がある
  • 取引所が倒産してもお金が戻らない可能性がある
  • そもそもの仮想通貨に対する信用性の低さ

現在これらのリスクがあると言われており、ここではさらに詳しい解説とそのリスクを回避する方法を紹介していきます。
FXは最大25倍のレバレッジ取引ができることがメリットと紹介しました。しかしそれは利益が出た時にメリットとなるのであり、損失も最大で25倍になることを意味しています。さらに、ビットコインは外貨に比べて相場の変動が大きいものです。変動率が高いこともあり、外貨でのFXよりリスクは大きいと言えるでしょう。対処法として、レバレッジの倍率を低めるなどの方法があります。はじめのうちはレバレッジ倍率を5倍程度にしておくことをおすすめします。

2つ目のリスクは「取引所が倒産してもお金が戻らない可能性がある」ということです。外貨でのFX取引ができる業者は、万が一倒産しても預けた証拠金は全て戻ってきます。これは2010年に成立された法律に基づくもので、すでにこうした法整備が整っているのです。しかし、仮想通貨FXの取引所を運営する業者にはこうした法律が適用されません。万が一取引所が倒産してしまったら、預けた証拠金が取り戻せない可能性があるのです。実際、2014年にはマウントゴックス社が破綻し、114億円分のビットコインが失われるという事件が起きています。これに対する対処法は、こまめに資産をウォレットに移して管理を行うことです。ハードウェアウォレットならインターネット上から切り離された環境に仮想通貨を保管できるので、ハッキングなどでビットコインが盗まれる心配もありません。

そして3つ目のデメリットが「そもそもの仮想通貨に対する信用性の低さ」です。まだ新しい技術である仮想通貨は、さまざまな要因で価値が大きく変動します。ビットコインに関して言えば、主要各国が規制を検討するというニュースが出るだけで大きく価値が下がります。みんなが様子を見ながら投資しているものなので、安定した相場というものがありません。余剰資金で投資を始めるなどの対応をして、万が一に備える必要があります。

ここまで紹介したように、仮想通貨FXは非常に大きなリスクを抱えています。まさにハイリスクハイリターンな投資なので、ここで紹介した対処法をしっかり覚えておきましょう。次の章では、これから仮想通貨FXを始める人に向けて、ビットコインFXができる取引所を紹介していきます。

仮想通貨FXができる取引所は限られている

現在、全ての取引所でビットコインFXができるわけではありません。日本国内では以下の10箇所の取引所でしか扱っていないので、口座を開設するならこの中から選びましょう。

ビットコインFXに対応している取引所

  • GMOコイン
  • coincheck
  • ビットフライヤー
  • ビットポイント
  • DMMビットコイン
  • みんなのビットコイン
  • ビットバンクトレード
  • Zaif(ザイフ)
  • QUOINEX
  • Kraken

仮想通貨FXができる取引所

数ある取引所の中でも、ビットコインFXを始めるなら以下の3つの業者がオススメです。それはなぜなのか、詳しい解説をしていきます。

1.コインチェック

コインチェックはビットコインを使ってFX取引ができます。取引手数料は無料で、レバレッジの最大倍率は5倍となっています。これは初心者にとっては大きなメリットで、ローリスクで仮想通貨FXを始めることができます。利益が上がってくると、どんどんとレバレッジの倍率を高くしたいと思ってしまいますが、コインチェックなら5倍までしか設定できないので安心です。もちろん、ビットコインFXの魅力でもある売りからの注文にも対応しているので、非常にバランスの取れた取引所と言えるでしょう。

2.ビットフライヤー

ビットフライヤーは国内最大級の取引所です。ビットコインを使ったFX取引は「bitflyer Lightning」という名称で提供されています。取引手数料は無料で、レバレッジの倍率は最大15倍となっています。セキュリティの高さと取引ツールの高性能さがメリットと言われています。ビットフライヤーはレバレッジが15倍まで設定できるということで、中級者にオススメの取引所です。リスクを最小限にするため、倍率は「1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、15倍」から選ぶことができます。まずは低レバレッジではじめて、自分の実力に応じて徐々に倍率を上げていくという使い方がオススメです。

3.ザイフ

Zaifも数ある中で人気の高い取引所の一つです。ビットコインFXに対応していますが、利益に対して0.7%の手数料が発生します。レバレッジの最大倍率は7.77倍で、「1倍、2.5倍、5倍」の倍率を選ぶことも可能です。最大の特徴は追証が発生しないことです。先に預けた証拠金以上の損失が発生しないため安心です。リスクを負いたくないけどハイレバレッジ取引を試してみたいという人にオススメです。

以上が、仮想通貨FXのおすすめ取引所です。これから始めてみたいという人のために、まずはじめに口座を開設すべき取引所を紹介していきます。

筆者のおすすめ取引所

もし、これから仮想通貨FXを始めようと思っているのであれば、まずはビットフライヤーで口座を開設することをおすすめします。その理由は以下の3点です。

  • 利用者が多い
  • 手数料が無料
  • レバレッジの自由度が高い

まず、利用者が多いというのは安心感につながります。突然倒産する可能性も低く、安心して証拠金を預けることができます。また取引自体も活発に行われているため、それに対応できるだけの環境が構築されているというのもメリットです。取引に対する手数料も無料なため、気軽に取引ができます。また、レバレッジ倍率を自分で決めることもできるため、はじめのうちは低レバレッジでビットコインFXを始めることができます。ハイレバレッジ取引をするために新たに別の業者に口座を開設する必要がないため、先を見越して長く使える取引所といえます。

仮想通貨FXの取引所を探す上で重視すべきポイント

自分にあった取引所を探すなら、これから紹介する以下の3つの点を重視しましょう。

  • 取引所の規模
  • 入出金にかかる手数料
  • 取引画面の使いやすさ

最も重視すべき点は、取引所の規模です。先程デメリットで紹介した通り、仮想通貨FXは取引所が倒産したら証拠金が戻ってきません。そうしたリスクを少しでも減らすため、みんなが利用している規模が大きい取引所を選びましょう。取引所の規模が大きいと、流動性が高いというメリットもあります。売り買いの注文が活発に行われているので、自分の注文も通りやすくなるのです。

2つ目に重視すべき点は「入出金にかかる手数料」です。頻繁に入出金を行う人であれば、手数料がかかる取引所はデメリットでしかありません。入金できる手段が多いのも大事ですが、その全てが手数料無料で利用できるかどうかを調べる必要があります。

3つ目は、当然ではありますが「取引画面の使いやすさ」です。最も頻繁に使う画面なので、操作方法がわかりやすい取引所を選ぶことが鉄則です。スマホアプリを用意している取引所も多いので、その使いやすさも十分考慮しましょう。

これらが取引所を探す上で重視すべきポイントです。口座を開設したら早速取引をしたいところですが、リスクを最小限に抑えるためにこれから説明する注意点をしっかり理解してからにしましょう。

仮想通貨FXを始める際の注意点

デメリットの章ですでに紹介しましたが、ビットコインFXを始める際には以下の3点に気をつけましょう。

  • レバレッジの倍率
  • 巨額の損失が発生する可能性
  • 仮想通貨の消失や盗難リスク

レバレッジの倍率は取引所によっても異なりますが、5倍〜25倍に設定できるようになっています。最大の25倍で取引をすると、利益が大きい分損失も大きくなります。金融取引における価格変動率(ボラティリティ)は、仮想通貨FXに関しては外貨FXの10倍と言われています。ボラティリティが大きいものほどハイリスクと言われているので、外貨のFXより巨額の損失が発生するリスクが高いということです。レバレッジの倍率を5倍に設定して、なるべくリスクを抑えた取引を行いましょう。
また、仮想通貨はハッキングによる盗難のリスクがあります。多くの人が仮想通貨の取引を始めるようになり、その被害も年々拡大しています。オフライン上で仮想通貨を保管するなどの対策は講じておきましょう。

まとめ

少ない資金で大きな額の取引ができるのがビットコインFXです。外貨でのFXより価格変動が激しいため、短期で莫大な利益を得ることも可能です。しかし、その分損失も大きくなるリスクを抱えています。これから始める際にはそれらのリスクを理解した上で、少しでも自分にとってメリットの大きい取引所を選びましょう。実際に口座を開設したら、まずは低レバレッジで練習をして、欲に目がくらみすぎないように慎重に取引を行いましょう。