はじめに

今回は、ビットコイン分裂騒動でよく聞くSegwit2xについて整理してみます。

Segwit2X(セグウィット2X)について知っておくべきこと

Segwit2X(セグウィット2X)について知っておくべきことを整理しておきます。

UASFとUAHFの妥協案として生まれた

Segwit2Xは中国マイナーの代表格として知られるビットメイン社によるUASFとコア開発者によるUASFの間の妥協案として生まれました。

参考:UASF

User Activated Soft Forkの略称。マイナー主導ではなく、ユーザー主導でソフトフォークをアクティベートしようという試み。

参考:UAHF

User Activted Soft Forkの略称。具体的には、2017年8月1日にBitmain社により行われるビットコインコアからの独自分裂のことを指す。

コア開発者については、以下の記事に整理していますので、お手すきの際に読んで頂けると幸いです。

ビットコインの「コア開発者」とは何者なのか

2MBハードフォークを実施予定

Segwit2X(セグウィット2X)は、2MBハードフォークを実施予定です。

参考:Segwit2X(セグウィット2X)では、2017年8月1日に、セグウィットを実装した後に、2MBへのブロックサイズの引き下げを行うことを計画しています。ただ、2017年11月2日現在、Segwit2X(セグウィット2X)に対し支持を表明するマイナーは減少しており、Segwit2Xが誕生しない可能性も取り沙汰されています。

ニューヨーク協定(NYA)で中国マイナー14社がSegwit2Xを支持。

ニューヨーク協定で、中国マイナー14社により、Segwit2Xを支持することが合意されました。「Segwit2X」では、まずはビットコインに「Segwit」を実装し、3ヶ月後にハードフォークを行い、ブロックサイズを1MBから2MBに引き上げることを計画しています。

参考:ニューヨーク協定

ニューヨークで開催されたConsensus 2017にあわせて実施されたハードフォークに関する合意。DCG(デジタル・カレンシー・グループ)のバリー・シルバートによって主導された。最大手マイナーBitmainを含む21ヶ国56社で合意が行われた。国内では、bitFlyer(ビットフライヤー)が参加した。コア開発者は参加していない。また、DCGから出資を受けているBlockstreamのCEOを務めるアダム・バックは本協定に対し反対している。

クライアントソフトとして「btc1」を使用

「btc1」はSegwit2X陣営が採用しているクライアントです。ただ、「btc1」のノードはコアノードに比べれば圧倒的に少なく、コア開発者は「btc1」をサポートしていません。

Segwit2Xは「BIP91」で提案され、マイナーの80%の賛同でソフトフォークが可能

Segwit2Xでは、Segwitのアクティベーション閾値を95%から80%に引き下げる「BIP91」を採用しています。BIP91とは、より安全性の高いUASFであり、2017年7月21日にロックインされ、2017年7月23日に有効化されました。

これまでのBIP9の規定では、95%以上のマイナーがソフトフォークに賛成する必要がありましたが、「Segwit2X」の規定では、80%の賛同でソフトフォークが可能です。

補足:BIPとは、Bitcoin Improvement Proposalの略称で、各開発者から提案される技術に関するドキュメントです。BIPの代表的なところで言うと、以下があります。

  • BIP-9:ソフトフォークの導入方法を規定した手順
  • BIP-91:Segwit2x陣営が採用。BIP-9に準拠したSegwit実装に向けた手順のこと。
  • BIP-148:UASFのこと。Segwit導入を促す手順

コア開発者はSegwit2X(セグウィット2X)に反対

コア開発者は「コンセンサスルールの更新は慎重に進めるべき」として、Segwit2xに反対しています。ビットコインコアは、「Segwit2x」のクライアントである「btc1」をサポートしておらず、接続を切ることを決定しています。

Segwit2X(セグウィット2X)には、リプレイ攻撃対策がない

コア開発者からの指摘で、Segwit2xにはリプレイ攻撃対策がないことが指摘されています。

segwit2x’s lack of a hard-fork bit and replay protection creates a high risk of users getting defrauded, both HF supporters and not.

訳:segwit2xがハードフォークビットを持たず、リプレイ保護機能を持たないため、HFサポーターでもなくても、ユーザーが詐欺に遭うリスクが高くなります

This is even worse than the ETH/ETC fork actually, as in addition to replay attacks, you also have lite clients accepting the wrong chain.

訳:これは実際にETH / ETCフォークより悪いです。リプレイ攻撃に加えて、不正なクライアントが誤ったチェーンを受け入れることもあります。

Segwit2Xには、開発者がひとりしかいない

Segwit2X(セグウィット2X)には、開発者がJeff Garzik(ジェフ・ガルジック)のひとりしか存在していません。

ビットコインのコア開発者は400人程存在すると言われていますから、その差は歴然ですね。こうした理由から、Segwit2X自体が成り立つのかと疑念を抱く人も存在します。

Segwit2Xコインの誕生はありえるのか

Segwit2Xを行う場合、「Segwit2Xコイン」という新たなアルトコインが生まれる可能性があります。しかし、実際に誕生するかどうかはわかりません。

結局、ハーフドフォークは起こらずに、ビットコインもビットコインキャッシュも値上がり!みたいなシナリオが一番見込みがあるかなあと思います。

Bitfinex(ビットフィネックス)では、Segwit2Xの先物取引が行われている

驚くべきことに、香港を拠点とする仮想通貨取引所Bitfinex(ビットフィネックス)では、Segwit2X(セグウィット2X)の先物取引が行われています。

ビットフィネックスの特徴については以下の記事をご覧下さい。

Bitfinex(ビットフィネックス)の評判(評価)・口コミは?特徴・メリット・デメリット・おすすめのポイントを初心者向けに解説!

最後に

2017年11月にハードフォークするかどうかに注目が集まります。

個人的に、最もありがたいシナリオとしては、Segwit2X(セグウィット2X)が実装されるが、リプレイプロテクションが無いことから攻撃を受けてしまい、ビットコインキャッシュに資金が流入し、バク上げするような未来です。

ビットコインキャッシュについては、以下の記事で整理していますので、お手すきの際に読んで頂けると幸いです。

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