仮想通貨取引所の口座開設はカンタン?

仮想通貨を始めようと思ったら、まず最初にしなくてはいけないのが取引所の口座開設です。
仮想通貨取引所にアカウントを登録し、自分の口座を開き、そこに仮想通貨を預け入れることで初めて取引が可能になります。その際、日本国内の仮想通貨取引所では「本人確認」という手続きを行う必要があります。

ただし、手続きといっても本人確認の手順はごく簡単です。事前に必要なものを用意しておけば数分程度で終わりますし、すべてネット上で済ませることができます。
ここでは、この本人確認の手順や必要なもの、注意事項などについて詳しく確認していきます。これから仮想通貨取引所に口座開設をしようと考えている方は是非参考にしてください。

口座開設に必要なもの

仮想通貨取引所に口座開設をするには以下のものが必要です。

  1. パソコンかスマートフォン
  2. メールアドレスと電話番号
  3. 本人確認用の身分証明書

パソコンかスマートフォン

各仮想通貨取引所の公式サイトにアクセスし、口座開設の申し込みを行うためにはインターネットに接続できるパソコンかスマートフォン、あるいはタブレットなどが必要です。

メールアドレスと電話番号

申し込みの際にはメールアドレスと電話番号の入力が求められます。不正アクセスから身を守るため、メールアドレスは取引所ごとに新規のフリーアドレス等を取得して使い分けたほうが安全です。なお、電話番号は固定電話だけでなく、携帯電話のものでも使用できます。

本人確認用の身分証明書

口座開設にあたっては本人確認というステップが必要になります。
本人確認の際に提出を求められるのが各種の身分証明書です。
身分証明書には顔写真が付いているものと、付いていないものがあります。

顔写真が付いた身分証明書

  • 運転免許証
  • パスポート
  • マイナンバーカード
  • 住民基本台帳カード 等

顔写真が付いていない身分証明書

  • 健康保険証
  • 年金手帳
  • 住民票の写し
  • 住民票
  • 公共料金の請求書 等

口座開設には顔写真付きの身分証明書1点を仮想通貨取引所に提示しなくてはいけません。また、取引所によっては写真が付いていない証明書2点を合わせて提示すれば本人確認ができる場合もあります。

仮想通貨取引所の口座開設に必要な物は以上です。特別な物を改めて用意する必要はなく、ほとんどがすでに手元にある物ばかりなので手軽に申請することができます。
次章では、本人確認の具体的な方法について詳しく見ていきます。

口座開設の本人確認はどうやって行う?

仮想通貨取引所に口座開設する時に必ず必要な本人確認ですが、具体的にはどのような手順で行われるのでしょうか。ここではその方法を解説します。

1.書類データをウェブ上にアップロードする方法

最も一般的で簡単な方法が、必要書類の画像データをウェブ上にアップロードするやり方です。
本人確認用書類の写真を撮り、その画像データを仮想通貨取引所の申請フォーム等へ送信すれば手続きは完了します。

2.配送業者に本人確認書類を提示する方法

GMOクリックなど一部の仮想通貨取引所では、ウェブアップロードの他に「受取時本人確認」という方法を選ぶこともできます。
受取時本人確認は口座開設の申請後、取引所から送られてくる書類を自宅で受け取る際、配送業者に必要書類を提示することで本人確認に代える方法です。

次章では、なぜ口座開設に本人確認が必要なのか、その理由について解説します。

なぜ口座開設に本人確認が必要なの?

現在、日本国内の仮想通貨取引所では口座開設の際に本人確認が必須になっています。
ではなぜ、本人確認が必要なのでしょうか?
それは2018年4月に施行された改正資金決済法によって法的に義務づけられているためです。

改正資金決済法は仮想通貨の普及と利用者保護を目的として制定された法律で、仮想通貨法とも呼ばれています。仮想通貨取引所を利用するユーザーのアカウントが詐欺などの犯罪に使われるのを防いだり、仮想通貨による資金洗浄(マネーロンダリング)を阻止する役割も担っています。
そのため、改正資金決済法では仮想通貨取引所に対して登録制度を設ける他、ユーザーに対する本人確認の徹底を義務づけています。

改正資金決済法が施行される以前は、本人確認なしで簡単に口座を開設することができましたが、現在は国内すべての仮想通貨取引所で本人確認が必須です。仮に本人確認不要で仮想通貨が取引できる国内取引所があるとしたら、その業者は違法な営業を行っているということになります。

ちなみに、海外には本人確認なしで口座を作ることができる仮想通貨取引所がいくつか存在します。例えば中国の仮想通貨取引所bainance(バイナンス)や、セーシェル諸島に本拠を置くbitmex(ビットメックス)などはまだ規制が緩く、メールアドレスの登録だけで口座開設をすることができます。ただし、規制が及んでいないということは万が一の際のリスクも高いと言うことです。ハッキングや詐欺などに巻き込まれた際の対応が十分でないことも考えられますので、こうした海外の仮想通貨取引所を利用する際は自衛を心がける必要があります。

次章では、仮想通貨取引所に口座開設をするまでの流れを紹介します。

口座開設までの流れ

ここでは、実際にどのような流れで口座開設をするのか具体的に見ていきます。

  1. 公式サイトから口座開設の申し込みをする
  2. 本人確認書類を提出する
  3. 本人確認の承認通知を受け取る

1 公式サイトから口座開設の申し込みをする

まず利用したい仮想通貨取引所の公式サイトにアクセスし、口座開設の申し込みフォーム等にメールアドレスを登録します。この際のメールアドレスはフリーアドレスで構いません。セキュリティを強化するためにも、その取引所専用のアドレスを新規に取得して使うことをオススメします。
メールアドレスを登録したら、続いて住所氏名などの個人情報を入力し、取引所の利用規約に同意します。これで口座開設の申し込みは完了です。

2 本人確認書類を提出する

メールアドレスと個人情報を登録し、利用規約に同意したら、次は本人確認のステップに移ります。
本人確認書類の提出はウェブ上で画像をアップロードするだけで簡単に終わりますが、承認されるまでには早くて2〜3日、遅い取引所だと数週間から1ヶ月程度待たされることもあります。時間をロスしないよう、本人確認書類のアップロードはできるだけ早く、確実に行う必要があります。

3 本人確認の承認通知を受け取る

必要書類をアップロードすると、事前に登録した個人情報と合わせて仮想通貨取引所側が審査を行います。
問題なく本人確認が取れれば、数日から数週間後に本人確認の承認通知が郵送で送られてきます。この通知に記載されている専用のパスワードを入力すれば口座開設は完了です。すぐに仮想通貨の取引を始めることができます。

以上が口座開設までの大まかな流れです。
すべてネット上で完結するため非常に簡単な作業と言えますが、いくつかの注意点もあります。次章では口座開設をする上で気をつけたいポイントについて解説します。

口座開設をする上での注意点

仮想通貨取引所の口座開設はウェブ上から簡単に行うことができますが、注意したい点が3つあります。

1つめは、本人確認書類に不備がないかしっかり確認することです。
アップロードした書類の画像が不鮮明だったり、必要な記載事項が写っていなかったりすると承認が得られません。すると画像を再度アップロードし直すことになり、その分だけ審査も長引いてしまいます。
本人確認書類の画像を撮る時は、必ずピントが合っているか、必要な事項が見切れたりせず全部写っているかを確認しましょう。また、パスポートや運転免許証を提出する場合は、有効期限が切れていないか念のためチェックしておくといいでしょう。

2つめは、口座開設の承認を受け取ったら、仮想通貨の取引を始める前に二段階認証の設定を行うことです。二段階認証は不正ログインを防ぐための重要なセキュリティ対策です。忘れずに設定しておきましょう。

3つめは、口座開設の申し込みは1カ所ずつ行うのではなく、複数の仮想通貨取引所に対して同時に行った方が良いという点です。本人確認の審査にはある程度時間がかかるため、1カ所ずつ申請するのは非効率です。あらかじめ使いたい仮想通貨取引所をリストアップし、すべて同時に申し込みを行うようにしましょう。

次章では、なぜ複数の仮想通貨取引所に口座開設をした方がいいのか、その理由を解説します。

複数の仮想通貨取引所に口座開設をした方がいい理由

仮想通貨の取引をスタートする際は、いくつかの取引所に同時に口座開設をしておくのがオススメです。
ではなぜ、複数の仮想通貨取引所に口座を作った方がいいのでしょうか。理由は大きく分けて3つあります。

  • ハッキングなどのリスクを減らすことができるから
  • 様々な通貨に投資してチャンスを広げることができるから
  • それぞれの仮想通貨取引所の強みを生かすことができるから

それぞれを詳しく解説していきます。

ハッキングなどのリスクを減らすことができるから

現在、仮想通貨取引所はサイバー犯罪の標的にされやすく、ハッキングによって顧客資産が盗まれる事件もたびたび起こっています。もし1つの仮想通貨取引所に全資産を預けていた場合、その取引所がハッキングされるとすべての財産を失ってしまいます。
万が一の場合を考え、複数の仮想通貨取引所に資産を分散させておくことをオススメします。

様々な通貨に投資してチャンスを広げることができるから

売買できる仮想通貨の種類は、仮想通貨取引所によって異なっています。より多くの取引所に口座開設をしておけば、その分だけ多くの仮想通貨に投資することができるようになります。分散投資は高騰チャンスを掴むための鉄則です。複数の取引所をチェックしてより将来性の高いコインを探しましょう。

それぞれの仮想通貨取引所の強みを生かすことができるから

仮想通貨取引所にはそれぞれ個性があります。手数料が安い、取り扱っている仮想通貨が多い、セキュリティが強い、アプリが使いやすい、FXができるなど、各取引所は得意な分野を持っています。複数の取引所をうまく組み合わせて使うことで、その強みを最大限に生かすことができます。

次章では、これから口座開設を考えている人に特にオススメの仮想通貨取引所ベスト3を紹介します。

これから口座開設をする人にオススメの仮想通貨取引所

ここでは、これから仮想通貨を始めてみたいと考えている人にオススメの仮想通貨取引所を3つご紹介します。

bitFlyer(ビットフライヤー)

ビットフライヤーは国内最大の規模を持つ人気の仮想通貨取引所です。大手損害保険会社と提携していて、不正ログインによる損害を補償してくれるという点もユーザーから評価されています。
ビットフライヤーは口座開設にかかる時間が最も短い取引所でもあります。特別なトラブルや書類の不備がないかぎり、申し込みの翌日か翌々日までには審査完了の通知が届きます。

Zaif(ザイフ)

ザイフはビットコイン取引の手数料が国内で最も安い仮想通貨取引所です。
ザイフの本人確認は顔写真付き証明書がなくても行えます。代わりに健康保険証や住民票の写し、公共料金の請求書などの公的証明書を2点提出すれば審査が通るので、運転免許証やパスポートを持っていない人には非常に便利です。ただし、口座開設まで1週間から10日ほどかかる場合が多いので、あらかじめ時間に余裕を持って申し込みをする必要があります。

フィスコ仮想通貨取引所

フィスコはJASDAQ上場企業の株式会社フィスコが運営する日本最大級の仮想通貨取引所です。優れたセキュリティと安定したシステムで根強い人気があります。
フィスコも顔写真付き証明書の場合は1点、顔写真のない証明書の場合は2点を提出すれば口座を開設することができます。

まとめ

仮想通貨取引所に口座開設する際に大切なポイントをまとめました。

  • 日本では口座開設時の本人確認が法律で義務づけられている
  • 口座開設に必要なものはメールアドレスと本人確認用の証明書
  • メールアドレスはフリーメール可。新規に取得したものが望ましい
  • 本人確認用の証明書は免許証やパスポート、公共料金の請求書など
  • 証明書はスマホで写真を撮ってウェブ上にアップロードすれば提出完了
  • 本人確認の審査に数日〜数十日かかるので書類の不備に注意

犯罪を防止し、ユーザーを保護するため、国内の仮想通貨取引所では口座開設のために本人確認が必須になっています。手続きそのものはごく簡単なので、提出書類に不備がないかしっかり確認して時間に余裕をもって申し込みを行いましょう。