セキュリティとサポートで海外取引所を選ぶならクラーケン

仮想通貨取引所を選ぶ時に必ずチェックしたいのが、セキュリティ対策とサポート体制がどれほど充実しているかという点です。特に、金融庁によって様々な規制を受けている国内の取引所と違い、海外取引所は経営やリテラシーや危うい企業も多く、利用にはより慎重になる必要があります。

安心して利用できる海外仮想通貨取引所は貴重な存在です。
その点で、アメリカに拠点を置くクラーケンという仮想通貨取引所はセキュリティやサポートが万全で企業リテラシーもしっかりしているため、安心して利用できる取引所と言えます。

ここでは、クラーケンの概要やメリット・デメリットを解説し、筆者独自の観点から格付けチェックを行っていきます。クラーケンが気になっている方はぜひ参考にしてください。

クラーケンとは?

クラーケン(Kraken)は、アメリカの企業Payword,Incが2011年に設立した仮想通貨取引所です。
本拠地はサンフランシスコにありますが、日本にも完全子会社のPayward Japan株式会社を持っています。

クラーケンは世界有数の取引量を有し、時にユーロ建てでは世界1位の規模を誇ります。また日本円やユーロの他、米ドル、カナダドル、イギリスポンドでも取引が可能なため、世界中に多数のユーザーを抱えています。
規模が大きいだけでなく、セキュリティのレベルが高いこと、またマウントゴックス事件の被害者救済支援を行っていることなど、安全性と企業リテラシーに定評のある仮想通貨取引所です。

次章では、クラーケンを使うメリットについて解説します。

クラーケン4つのメリット

仮想通貨取引所クラーケンには以下のようなメリットがあります。

  1. 日本語に対応している
  2. 日本円で入金できる
  3. 取り扱っている仮想通貨の種類が多い
  4. セキュリティが強い

1つずつ解説していきましょう。

日本語に対応している

日本支社を持つクラーケンはホームページが完全に日本語対応しています。海外の仮想通貨取引所にありがちな精度のあやしい直訳ではなく自然な日本語のため、国内の取引所しか使ったことのないユーザーでも戸惑うことなく取引することができるでしょう。
通常、海外の仮想通貨取引所を利用していて不明な点があったり、何かしらのトラブルが発生したりした際は英語で問い合わせをすることになります。しかしクラーケンは日本語での取り合わせに応じてくれるため、英語の苦手なユーザーでも安心です。

日本円で入金できる

海外仮想通貨取引所のほとんどが日本円での入金を受け付けていません。そのため、利用する際はまず国内の取引所で日本円を仮想通貨(基本的にはビットコイン)に替え、その仮想通貨を入金する必要があります。
しかしクラーケンは直接日本円を口座に入金できるため、間に国内取引所をはさむ煩雑さがありません。

取り扱っている仮想通貨の種類が多い

クラーケンでは18種類の仮想通貨を売買することができます。その中にはリップルやイーサリアムといった主要な通貨の他、国内の仮想通貨取引所では扱っていない個性豊かなアルトコインが含まれています。例えば第2のリップルと呼ばれるステラコインや、公開直後に時価総額がベスト10入りしたことで注目されたイオスコインなどを扱っているため、投資の選択肢やチャンスが広がります。

セキュリティが強い

クラーケンは海外仮想通貨取引所の中でもセキュリティ面の強化に力を入れている企業です。取り扱っているすべての仮想通貨をネットから完全に切り離したコールドサーバーで保管しているのはもちろん、二段階認証や自動ログアウト機能といったユーザーのためのセキュリティ対策も完備されています。そのため、2011年の設立から現在にいたるまで一度もハッキング攻撃の被害に遭っていないという優れた実績を持っています。

一方で、クラーケンには長所だけでなく短所も存在します。
次章では、忘れてはいけないクラーケンのデメリットについて解説していきます。

クラーケンのデメリット

海外仮想通貨取引所の中ではユーザーフレンドリーで安全性の高いクラーケンですが、デメリットもいくつか存在します。
その一つが、口座開設の際の本人確認手続きが国内取引所に比べて遅いことです。クラーケンでは安全で確実な取引を担保するため、本人確認をいくつかの段階に分けて行っています。そのため手続きをすべて完了するまで時間がかかってしまうという欠点があります。
また、外部からの攻撃に対する安全性は高いものの、サーバーが不安定になることが多いという口コミがよく聞かれます。たまに「520エラー(サーバーに起因するエラー)」が起こって取引ができなくなることがあるので、その点は頭に入れておくと良いでしょう。

次章では、クラーケンで扱っている仮想通貨の一覧を紹介します。

クラーケンの取り扱い仮想通貨一覧

クラーケンで取引できる仮想通貨は以下の通りです。

  • ビットコイン(BTC/XBT)
  • ビットコインキャッシュ(BCH)
  • イーサリアム(ETH)
  • イーサリアムクラシック(ETC)
  • イオス(EOS)
  • グノーシス(GNO)
  • モネロ(XMR)
  • リップル(XRP)
  • ライトコイン(LTC)
  • ダッシュコイン(DASH)
  • ジーキャッシュ(ZEC)
  • オーガー(REP)
  • ステラ(XLM)
  • イコノミ(ICN)
  • メロン/メロンポート(MLN)
  • テザー(USDT)
  • ドージコイン(XDG)
  • ルーメン(XLM)

この18種類の中で日本円に対応しているのはビットコイン、イーサリアム、リップルの3種です。
また、国内では流通していないモネロやジーキャッシュといった匿名性通貨(資金の流れをブラックボックス化する技術を使った仮想通貨)を扱っている点が特徴です。
ちなみに、国内ではビットコインはBTCと表記するのが主流ですが、クラーケンではアメリカ式にXBTと表記しているのでこの点も注意が必要です。

次章では、クラーケンはどのような人におすすめの仮想通貨取引所なのか解説します。

クラーケンはどんな人におすすめ?

海外仮想通貨取引所のクラーケンは、以下のようなユーザーに適しています。

  • 色々なアルトコインをお得に買いたい人
  • 初めて海外の仮想通貨取引所を使う人
  • セキュリティを重視する人

それでは、一つずつ解説していきます。

色々なアルトコインをお得に買いたい人

クラーケンでは18種類の仮想通貨を取り扱っているため、国内の取引所よりも幅広いアルトコインに投資することができます。
海外取引所の中には数百種もの仮想通貨を扱っているところもありますが、その大部分は玉石混交なため投資先選びが大変難しく、初心者〜中級者が利用するには適していません。その点、クラーケンの取り扱い通貨は適度な数と質を持っていると言えるでしょう。

初めて海外の仮想通貨取引所を使う人

ほとんどの海外仮想通貨取引所が日本語に対応していない中、クラーケンはHPだけでなくユーザーサポートまで完全に日本語対応しています。そのため、初めて海外の取引所を利用する人はもちろん、英語が苦手な人やトラブルの際のサポートを重視する人にも適しています。

セキュリティを重視する人

クラーケンは創業以来、ハッキングの被害を受けていないことで知られています。それだけセキュリティが強固で、不正ログインなどのサイバー犯罪に対して日々対策を練っている取引所と言えます。
昨今、国内外の仮想通貨取引所がハッキングによって顧客の資産を盗まれる事件が頻発しています。そんな中、取引所を選ぶならセキュリティのレベルは必ずチェックしておきたいポイントです。その点で、クラーケンは信頼性の高い取引所と言えます。

次章では、クラーケンを利用するにあたって発生する各種手数料の一覧を紹介します。

クラーケンの手数料一覧

ここでは、クラーケンが設定している各種手数料を紹介します。

  • 紙媒体の郵送手数料: 各ページ$60
  • 入金手数料:無料
  • 出金手数料:日本円300円、ビットコイン0.00050BTC等 
  • 現物取引手数料(指値注文):0%〜0.16%
  • 現物取引手数料(成行注文):0.1%〜0.26%

クラーケンの取引手数料は各通貨ベアごとに異なる設定になっています。また、ペアごとの手数料は直近30日間に行われた取引の量に基づいて決まるため、たくさん取引をするほど手数料が安くなるしくみです。

クラーケンの手数料は国内取引所よりもお得!

クラーケンの各種手数料を総合的に見ると、いずれも国内取引所と比較して割安に設定されています。また、ユーザーの取引量に応じて取引手数料が安くなる仕組みもユニークです。
さらに日本円は入金手数料が無料であることに加え最低5000円から入金できるので、手軽に取引を始められるのも利点の一つです。

次章では、クラーケンのセキュリティについて解説します。

クラーケンのセキュリティについて

クラーケンのセキュリティは世界的に見ても高い水準にあり、コールドウォレットやマルチシグ、資産の分割管理など、安全のために必要なセキュリティ対策はすべて実施されています。

特筆すべきは二段階認証で、通常のログイン時や送金時に加え、入金をする時と取引をする時にも二段階認証を適用するよう設定することができます。
また、それぞれの二段階認証を異なるバーコードで登録することができたり、一般的には6桁が多いパスワードを7〜8桁まで増やして安全性をより高めることができるようになっています。
二段階認証に関してはユーザー自身が設定を行う必要がありますが、実施しておけば不正ログインの被害を未然に防ぐことができます。

過去に一度もハッキング被害を受けていないクラーケンのセキュリティは、安心して自分の資産を預けられるレベルにあると言えるでしょう。

次章では、万が一何らかのトラブルで自分の資産が失われた場合、クラーケンがどのような補償を用意しているのかについて解説します。

クラーケンの補償対応について

クラーケンのセキュリティは高水準ですが、今後絶対にハッキングされないという保証はありません。また、ユーザー自身が二段階認証を設定していなかったり、何らかの理由でパスワードを第三者に知られたりといった理由から不正ログイン被害に遭う可能性もあります。
そうした場合に自分の資産が不正に出金されてしまったら、クラーケンは補償に応じてくれるのでしょうか。

残念ながら、クラーケンでは現在のところ不正ログインに対する損失補償は定められていません。どのような理由であれ、資産が流出してしまえばそれを返してもらうための規約は存在しないということです。

ただし、クラーケンはマウントゴックスの被害者救済に長年取り組んでいる取引所です。自社のユーザーが不当に不利益を被った場合、特例的に何らかの救済措置を取ってくれる可能性は高いと言えます。
とは言えそれも確実ではありません。仮想通貨を保有する場合は、自分自身でウォレットを用意してそちらに移すなど、自分のものは自分で守るという責任意識を持つことが重要になってきます。

次章では、これまでの評価を総合し、筆者が独自にクラーケンを5段階評価で格付けします。

クラーケンの評価

数ある仮想通貨取引所の中で、クラーケンはどの程度の実力を持っているのでしょうか。筆者の個人的な経験をもとに評価するなら、クラーケンは5段階中、☆4の取引所と言えます。

☆4評価の理由として、海外仮想通貨取引所の中で圧倒的に使いやすいという点が挙げられます。完全日本語対応、日本円入金、強固なセキュリティなど、便利かつ安心して使えるポイントが揃っています。
ただし、本人確認の手続きに時間がかかる点や、サーバーがやや不安定である点を加味するとメインの取引所として運用するにはやや弱いと言えます。
お勧めの使い方は、アルトコインを運用するためのサブ取引所として登録しておくことです。あらかじめ時間に余裕のある時にユーザー登録を行っておくと良いでしょう。

次章では、クラーケンの概要を手短にまとめます。

まとめ

クラーケンについて、これだけは押さえておきたい重要なポイントをまとめました。

  • クラーケンはアメリカに本社を置く海外仮想通貨取引所です
  • 日本に支社を持ち、日本語でのサポートや日本円入金に対応しています
  • 取り扱っている仮想通貨は18種類で、手数料は比較的割安です
  • セキュリティの強さに定評があり、一度もハッキング被害を受けていません
  • 登録に時間がかかる点、サーバーが弱い点がデメリットです

クラーケンは海外仮想通貨取引所の中で、最も安心して手軽に使うことのできる企業の一つです。魅力的なアルトコインが揃っているので、サブ的に運用すれば投資の幅を広げるのに役立つはずです。